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「もう、知らねーっ!」
「デュオ!」 ヒイロはあわててデュオを追いかけた。廊下の途中でデュオに追いつき、ヒイロはデュオの手首をつかんだ。 「待て、デュオ」 「うっせーな! 離せよ!」 ヒイロの手を思い切り振り払い、デュオはヒイロを睨みつけた。 「せっかく教えてやってんのに、聞く気がねえんならひとりでやればいいじゃねえか。なんだっておまえは一人で出来るんだからさ!」 「そんなことは言ってないだろう」 「大体、おまえのその態度! 人に物を教わる態度かっつーの。もう少し謙虚になれないんじゃ、誰に教えてもらっても相手を怒らせるだけだぜ」 じゃあな、と言い残して、デュオはヒイロの部屋から出ていってしまった。ヒイロは迷ったがすぐに部屋を飛び出した。あちこち見回しても、人ばかりあふれていて、肝心のデュオの姿は見あたらない。 「デュオ!」 走りながらデュオの名を呼ぶヒイロの姿は、周囲の目を引いた。黙って立っていても女性の視線を集めそうな整った容姿のヒイロが、焦りを隠せず人の名を叫びながら走り回っているのだから、目立ってしょうがない。 「デュオ、どこだ!」 その時デュオは喫茶店にいた。コーヒーを飲んでリラックスしているところに、眺めていた窓の外を見知った顔が駆け抜け、一瞬デュオは見間違いかと思った。 そして一拍遅れて届いたとんでもない声。 「デュオ、どこにいるっ」 びくう、とデュオの身体がこわばった。 ちょっと時間置いて、自分もヒイロも落ち着いたら、もう一度戻ろうと思っていたのに。……ヒイロがあんなに必死でデュオを探し回っているなんて。 「おいおいー……冗談じゃないぜ」 喫茶店を出ると、丁度ヒイロがこちらを振り向いたところだった。 デュオが『げっ』と思ったのを察知したのかしてないのか、ヒイロはデュオのところへ駆け寄ってきた。 「デュオ、すまなかった」 「……はあ」 「俺が悪かった。だから戻ってきてくれ」 ヒイロはデュオの両手を握り締め、キスをした。 「おーい……そんなにしなくても……」 「おまえを愛しているんだ。おまえなしでは一歩も前に進めないんだ」 デュオは周囲の視線が痛かった。たとえ同性でも結婚できるご時世でも、なにもこんな衆人環視の中で、告白することはないだろうに。 「わかった! わかったから、部屋に戻ろうぜ」 デュオはため息をついた。 「ケーキ作りなんか、本見てやれば絶対うまくいくって。俺なんかいなくても……」 「おまえがいないとできない」 なんか……めちゃめちゃ本気って感じの視線を向けられて、デュオはうんざりした。 「……ま、いいよ。その真剣さに免じて、つきあってやるよ」 要は、ケーキを作りたいのではなく、デュオと、ケーキを作りたいらしい。ヒイロがあんまり四角四面に材料の分量を量ろうとする反面、デュオがいい加減に済まそうとしたので衝突しただけなのに。好きにやれば? という一言がよほど堪えたようだった。 「ったくしょーがねー奴……」 恥ずかしいったらないぜ、と呟きながら、デュオはヒイロに手を握られたまま、ヒイロの部屋に戻ることにした。 |
い……いかがでしたでしょうか? ドラマみたいな告白って……よく……分からなくて。ううむ。本当は歩道橋の上から、ヒイロに大声で(歩道橋の下にいるデュオに)「好きだ〜!!!」とか叫ばせたかったんですけど(^^)。それではまた〜。 |
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