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 戦争が終わった後、デュオは五飛に結婚を申し込まれた。驚いたものの、五飛のことを前から好きだったから、結婚すること自体は別に嫌ではなかった。
 俺でいいの? と聞いたり、おまえでないとだめなんだ……と言ってもらったり……というやり取りの末、デュオは五飛と一緒にいることを決意した。
「デュオ、朝だぞ」
「ん……うーん……」
 張家を出て、一緒にプリベンターで働いているふたりは、今、地球に住んでいた。ふたりでマンションの一室を借り、毎日一緒に出勤している。帰りはどうしてもずれることもあるから、早く帰った方が食事を作るということになっていた。
「デュオ」
 五飛はベッドに腰掛けてデュオをのぞき込んだ。
 昨夜抱き合ったまま眠ったデュオは、三つ編みがすっかりほどけて栗色の髪がシーツに流れ落ちていた。滑らかな肌の肩が、ふとんの下から少しのぞいている。デュオは俯せになってぐっすり眠っていた。
「デュオ、そろそろ起きないと」
「う……ん……」
 五飛はため息をついて、デュオの上に屈み込み、くちびるにくちびるを重ねた。ふとんをゆっくりと持ち上げると、デュオは一糸まとわぬ姿のままだった。そんな姿のまま眠っているのは五飛にも責任の一端はあるのだが……五飛はそんな姿のデュオを見て、平静を保てる程人間ができていなかった。
 デュオの肩を押して仰向けにし、デュオが眠っているのをいいことに脚を広げさせ、身体を割り込ませた。ズボンのファスナーを降ろして自身を取り出すと、デュオの莟を指先で探り、先端を押し当てる。
「……デュオ、後で文句を言うなよ」
 デュオが聞いていたら猛烈に抗議しそうなことを呟いて、五飛はデュオを貫いた。
「っ……!?」
 昨夜の残滓のせいで、それ程痛みは感じなかったが、デュオは貫かれる感触に目が覚めた。痛みがなくても異物感は拭いようがないし、それに伴う疼くような快感が、じわじわとデュオの身体を浸食していった。
「な……に……?」
 デュオはまだぼんやりしながら前髪をかき上げ、自身に加えられ始めた直接的な刺激に、いっぺんに目が覚めた。
「な、なに……?」
 微かな息遣いに、ほんのり香る、大好きな人の匂いと気配。黒髪のさらさらとした様子が、彼が動く度に揺れている。
「五飛?」
「デュオ、起きたのか」
 苦笑気味に囁かれ、デュオは瞬いた。途端にまた沸き起こる、何とも言えない疼くような快感。
「……っあ……」
 デュオは五飛にのしかかられ、脚を広げさせられていることに気づいて、ようやく事態を飲み込めてきた。
「五飛……? 朝っぱらから、なに……やってんだ、おまえ」
「おまえがあんまり綺麗だったから……すまない」
「すまないじゃ、ねえだろっ……?」
 抗議しようとしたデュオは、自身に加えられる愛撫と内奥をかき回される感覚に眩暈がして、シーツに後頭部をすりつけて声を上げた。
「っ……あ……ん」
「……よさそうだな」
「ば……っ、なに、言って……」
「おまえがいくら呼んでも起きないからだ」
「俺の……せいかよ」
「俺がおまえの魅力に打ち勝てなかったのも原因ではあるが……」
 五飛はデュオを揺らしながらくちづけて微笑した。
「全裸のおまえを見て、俺が平静でいられると思うか? 昨夜のままの姿で」
「……でも……」
 寝込みを襲うなんて、とぶつぶつ言うデュオを五飛は抱き締めて、切なげに喘がせた。


「……もう……」
 朝から抱き合ったデュオは、五飛に抱きかかえられながらシャワーを浴び、身支度を整えて、揃って出社した。
「今後は、寝込みを襲わないこと!」
「……わかった」
「ムラムラするのは分かるけど禁止だかんな」
 五飛は苦笑した。デュオは真っ赤になった。
「なんだよ! どうして笑うんだっ」
「だって……」
 五飛は苦しそうに笑うのを必死に堪えていたが、それでもくつくつ笑っていた。
「気持ちは分かるんだろ?」
 デュオは五飛を睨みつけた。
「おまえのあんな姿を見せられたら、自制なんか効かないに決まってる、……って……分かってるんだろ?」
 デュオは頬を上気させた。
「だ……って。俺も……五飛見てどきどきすること……あるから」
「ふうん?」
 興味深そうに笑みを浮かべながらデュオをのぞき込んでくる五飛に、デュオは恥ずかしそうに顔を逸らした。
「と、とにかく……もう今朝みたいなことはだめだかんな」
「ああ」
 五飛はプリベンターから一緒に戻ってきたデュオを、玄関の扉を後ろ手に閉じた途端、背中から抱き締めた。
「五飛?」
「家なんだから、いいんだろう?」
「……っえ……」
「好きだ」
 デュオは真っ赤になった。
「そ……いうことは、夜やらねえ?」
「今朝のだけでは物足りなかったんだ。本当はもう2〜3回は、やりたかったのに……」
「わーっ!」
 デュオは真っ赤になった。
「そんなこと、口にすんなよっ」
「どうして? 正直な気持ちなのに」
 五飛はデュオの手を引いて、ベッドルームに行った。
「好きだ」
「んんっ……」
 くちづけられて、ベッドに座らされる。五飛は浅いくちづけを何度も繰り返しながら、徐々に深く舌を絡ませるようなキスを織り交ぜていった。デュオの手が震え、シーツをつかむ。微かに甘い声が漏れて、デュオは瞳を潤ませて五飛に抱き締められていた。
「五飛……」
 服を脱がして横たえ、五飛はベッドに上がってデュオを抱き締めた。脚を開かせて莟に指を触れさせると、五飛は苦笑した。
「おまえも……物足りなかったのか」
 デュオは頬を染めて顔を逸らした。そんなデュオの様子に愛しさを募らせながら、五飛はデュオを俯せにした。驚いてデュオが振り向くと、五飛は優しくくちびるを重ねてきた。
「っ……五飛……?」
 脚を開かされ、デュオは先端が触れてくるのを感じて、頬を染めて俯いた。
「あっ……」
 五飛を受け入れさせられながら、デュオは背中をしならせた。肩口から背中へと転々とくちづけを落としていく。
「愛している……」
 デュオは五飛の低い声で囁かれて、切なげに身体を震わせた。


「やっぱりさー、五飛と結婚してよかったよな」
 デュオがシャワーを浴びている間に、五飛は夕食を作っていた。五飛の料理はびっくりするくらいうまいので、デュオはいつも幸せだった。
「おまえの料理、すんごくうまいもん」
「そうか。おまえが喜んでくれるなら、俺もうれしい……」
「えへへ」
 もちろんそれだけではないけれど。でも、それをはっきり言ってしまうのはちょっと恥ずかしかった。それでも、あたたかくて力強く抱き締めてくる五飛の腕の感触は身体にまだ残っていて、デュオはそれを想起するたび、五飛の真剣で優しい眼差しが自分だけに向けられている幸福をかみしめていた。

いかがでしたでしょうか?
新婚さん五飛×デュオ……って、こんな感じかな? もしかして……えっちなしで、らぶらぶがよかったでしょうか……どきどき。つい、入れてしまいました(^^;)。よかったら感想お聞かせくださいね。ではではまた。

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