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「よく似合っている」
 ヒイロはデュオの姿を見てそう呟いた。
「……あのさ、……もう、着替えてきても、いい?」
 デュオはひどく居心地悪そうに佇んでいる。
「今着替えたばかりだろうが」
「だからさ、おまえに見せたんだから、もういいだろっ!?」
 デュオは真っ赤になって訴えた。
「大体さ、なんで男の俺がこんな格好しなきゃいけないんだよ? おまえを喜ばす為だけに、こんな仮装みたいな……」
 デュオは短いスカートの裾を握り締めている。
 紺のスカートの中から、白いレースのフリルが広がっている。半袖の白いブラウスは、ふくらみ袖になっていて、飾りっぽく折り返してある袖口は、銀色のカフスで止められている。
襟元には赤いリボンが結ばれ、そしてとどめとばかりに白いレース付きのひらひらエプロンをつけていた。
 ヒイロはデュオのエナメルの黒靴を見やりながら呟いた。
「似合ってるじゃないか。充分そのままでもメイドで通るだろう」
 デュオはソファに掛けているヒイロにつかみかかった。
「おまえがあんな顔して、一度でいいから着てみてくれって言うから、仕方なく着てやったのに、その言い草はなんだよ!? おまえの遊びにつきあうのは、もうたくさんだ!」
 デュオの手首をつかみ、襟元から離させる。
「痛っ……!」
「メイドが主人に手を上げるなんて、言語道断だ」
「ヒイロっ」
「……お仕置きが必要だな」
 デュオはヒイロにもう片方の手首もつかまれ、引っ張り上げられた。
「やっ……やめ……」
 足が浮き上がりそうになり、あわててばたつくデュオを見て、ヒイロは乱暴にデュオを押し倒した。ソファに叩きつけられたデュオは、両手を押さえられたままの状態で、上からのぞき込んでくるヒイロをくちびるをわななかせて見上げた。
「冗談だろ……?」
「はじめからこのつもりで買ってきたんだ」
「な……っ」
「一度、試してみたかったからな」
「ヒイロっ」
 ヒイロにくちづけられて、デュオは思わず目をつぶった。
「や……っ、もう、……ヒイロ……」
 くちびるを離されても、デュオは目をつぶったまま身体をこわばらせていた。どれくらいそうしていただろう……? ふと、デュオは恐る恐る目を開けてみると、ヒイロは苦しそうに笑い死んでいた。
「なっ……」
「本当にからかいがいのある奴だな……おまえは……」
「っ……っっヒイロ!!」
 ソファに置かれていたクッションでヒイロをめちゃめちゃに殴りながら、それでもデュオはちょっとだけ残念だなーと思っていた。




いかがでしたか? ちょっとでも楽しんでいただければうれしいです。
なんだかいきなりとんでもない話ですいません。トップページからかっ飛ばすのもまずいかなあ……というわけで、この話はここまで。別バージョンは気が向いたらNovelsにアップします(気が向いたらね……)。なので、読みたい方はメールかBBSで催促してみてくださいね♪
それではまた。



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